未来につながる森づくり【自伐型林業まえばしTEAM】

自伐型林業まえばしTEAM

2023年までに、前橋で自伐型林業を生業として生活をしていける仲間を増やす。この目標に向けて2018年の夏に結成されたのが、自伐型林業まえばしTEAMです。

チームの結成は間違いに気づいたことから始まる

自伐型林業まえばしTEAMの宮さんと檀原さん
左:宮さん/右:檀原さん

現在、自伐型林業まえばしTEAMには17名のメンバーがいます。その中でIRORI場と大きく関わっているのが、檀原真広(だんばら まさひろ)さんと宮勝彦(みや かつひこ)さんになります。

檀原さんは元々林業に従事していました。林業を選んだのはこの仕事が「地球にとって良いこと」ができると感じたから。ただあるきっかけで、自分が従事しているのとは違う林業に出会います。

通常多くの人がイメージしている林業というのは、皆伐型施業と言われていて”国産木材”を作っています。またその量が増えることは日本(人)にとっても良いことと感じると思います。

「中国産のヒノキと国産のヒノキなら、どっちのほうが良さそう?」

もし、こんな質問をされたら特に何も考えず「国産」と言ってしまうと思います。

皆伐型施業で一気に伐採されると、その山にはその先数十年伐採する木がありません。これが問題になってきていて、2019年の台風19号で東北地方を襲った土砂災害。毎日新聞がこんな記事をアップしてました。

https://mainichi.jp/articles/20191216/k00/00m/040/126000c
安倍政権が後押しする森林皆伐跡地で崩落頻発? 進まぬ豪雨「人災」の検証

「自分が携わっている仕事は森を、地球を破壊しているのかもしれない」

そのように思うきっかけを自伐型林業との出逢いで生まれたそうです。自伐型林業というのは、従事する人がその山で暮らし”いい山づくり”をしながら、伐採した木材の販売等で生計を立てる持続可能な森林経営を目指すことです。

日本の山林の現状

全ての木を伐採されてしまった山
木を伐採されたままの山が多く残っている

現在、山を所有している人の多くは、親から受け継いだモノという考えの人が多いそうです。しかしせっかく受け継いだ山も手入れをしなければ荒れる一方です。

手入れをしないとどうなるかというと、道路に面しているのに伸び放題で枝が道路に被さってきたりします。さらに何もしなければ木は枯れます。その枯れ木も放置すると、道路に倒れてきたり有害鳥獣の隠れ家になったりします。

まだ雑木が生えてもきます。その結果、本来必要な栄養が行き渡らなくなり木が育ちません。これが雨などで表土が崩れやすい”地盤が弱い山”ができるきっかけになってしまいます。

荒れた山の木を収益化するのはなかなか難しいそうで、多くの山主さんは、どうせ業者に頼んで手入れをするなら、その必要も少なく収益化も図れる【太陽光発電設備】にしてしまうことが多いそうです。

確かに太陽光発電設備ができたら、短期的には売電収入が生まれます。自然エネルギーを作っているというエコに役立つことにもつながります。

しかし、長期的視点や昨今の自然災害の規模を考えると、いいことばかりではないそうです。設備を作るためには山林を大規模に伐採します。形状により山自体の形も変えます。これが土砂崩れなどの災害の危険性につながると考えられています。

その他にも、本来その山を住処にしていた様々な動物や微生物たちがいられなくなります。その結果は畑や農作物の被害にとどまらず、人の生活圏まで現れて被害の拡大にもつながる可能性があります。

また、住処をなくした動物たちは新たな住処へ移動します。そうなると新しい山での生態系が壊れる可能性を持っています。

さらには、河川への土砂の流出も増えます。河川の底が上がることで水量が増えたようになり、大雨・台風などで一気に土砂と共に海に流れ込み、海洋の生態系にも影響を及ぼします。実際2019年はわかめやこんぶ不漁が続いているそうです。

目指すものは1つ【いい山をつくる】こと

手入れの行き届いた山は美しい
手入れができている山林は美しい

現在の災害のきっかけになる山の手入れ方法を変えなくてはならない。このような想いを持つ、山主さん・行政・林業従事者がつながり、結成されたのが自伐型林業まえばしTEAMです。

タイミング的にも、森林環境譲与税の制度により国から自治体へのお金が使えることもあり、前橋も積極的に活用していくことになりました。

”いい山をつくる”ことにゴールはないと話してくれた檀原さんですが、当面は2023年までにこの自伐型林業を生業として生活ができる仲間を増やしていくことを目標にしています。

2018年の最初の活動のとき、檀原さんはその作業もできるし経験もある宮さんに手伝ってほしいと依頼をし2つ返事で引き受けたことから、今まで林業に関わっていなかった宮さんもチームの一員になりました。

お住まいも隣同士ということで20年来の付き合いもあり、まさに信頼関係で成り立っているのが【まえばしTEAM】です。

2021年に市民向けの自伐型林業のフォーラム開催を目指して、1つ1つできることから進めている現在、2019年12月28,29日には前橋市林間研修施設のおおさる山乃家にて小学生を対象とした樹木伐採見学とウッドクラフトのイベントを開催します。

少しでも多くの市民のみなさまに知っていただけるよう、様々な活動をしていく自伐型林業まえばしTEAMをどうぞよろしくお願いいたします。

CONTACT

いろいろな形でみなさまに情報をお届けします。

自伐型林業まえばしTEAMへのお問い合わせは、Facebookページからメッセージをいただくか、合同会社IRORI場へお問い合わせください。

Facebookページ:https://www.facebook.com/jmt.akagi/
合同会社IRORI場:https://iroriba.jp/contact/

おおさる山乃家:https://www.osaru.org/
*12月28日29日のイベントの募集は終了しています。

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投稿者プロフィール

真下 知太郎
真下 知太郎ライター&Web担当
カレー・ラーメン・ステーキに甘いものが大好きなアラフォー。
IRORI場のHP制作を担当。細かい作業や文章を書くのが好きなちょっとした変わり者。